差別

 さらに、世の中にあってはならない儀式儀礼もあるのです。お釈迦様はそれらをきちんと区別して、批判するものは厳しく批判されました。た とえばインドでは、動物の生け贄を神様に差し上げる盛大な儀式があります。また、カーストを作って人間を差別する。このようなことについては、お釈迦様は ものすごく反対されました。どうして人間の間に差別をもうけるのかと厳しく批判されました。人間であれば、生まれたときの行動も同じだし、女性の月のもの も皆同じ、陣痛も同じ、全部同じなのになぜ差別をするのかと。また、男女差別も否定されました。

疑問・質問 20,21

五戒を守る人は、他人のこともその尺度で見て、「私は五戒を守っている。この人は守っていません」と判断したがります。こ れは、自分が他人より優れて いるという優越感を招きま す。この優越感は差別意識であって傲慢です。煩悩です。心の汚れです。心の汚れを落 とす目的で仏教徒 になって、逆に、汚れをつけてしまうことは、あまりにも矛盾です。他人の行為、行動は、どうであろうとも、他人に対しては、差別感が心の中に生まれないよ うに、常に「気づく」べきです。形だけの戒律は、性格的に頑固であるならば、簡単に守れます。あまり自慢になりませんね…。形式的に戒めを守るよりも、平 等の心(差別意識のない心=upekkha-)を持つことの方が優れています。

疑問・質問 29

 世の中の 悪 と悪との戦い に引き込まれないようにしましょう。善と悪 の判断もろくにできないにもかかわらず、他人を救おうと思って他に迷惑をかけることも やめましょう。世を救おうと踏ん張ると、自分のこころの汚れを直す暇が全くなくなります。その上自分が行った世直し行動も正しいかどうかわからないので す。ですから、他人に対しては、「生命を差別することは一切やめて限りない慈しみを育てるように」とお釈迦さまがおっしゃったのです。これが安全な対応で す。他人に対しては慈しみの行為のみを実践しながら己のこころの汚れをなくし、智恵を開発して真理に目覚めることが先決です。

パティパダー巻頭法話(81)

〔人は〕出生[うまれ]によっ て、賤民(非人)と成るのではない。〔人は〕出生によって、婆羅門(聖職者)と成るのではない。行為(業)によって、賤民と成る。行為(業)によって、婆 羅門と成る。

スッタニ パータ 136





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