影響
その中でも、人間から受ける影響は最大であることはいうまでもありません。ですから常に自分よりすぐれた人とつきあった方 が自分は確実に成長するので す。そのような立派な人がいなければ性格的に自分に似ている仲間を作れば、成長がなくても堕落することはないでしょう。不注意で性格の悪い人々とつ きあう と、必ず自分が気が付かない内に、自分の性格も悪くなっていくことは避けられません。影響を受けずに悪人とつきあうこ とができるのは、自分の性格を完壁に 作り上げた偉大なる人々だけです。人は皆平等だから平等につきあうの がよいのではないかなどと、無責任な屁理屈を言って「愚か者」の生き方をするのではな く、成長するためにはしっかりつきあう相手を選ぶべきなの です。「影響」の原理を無視する ことは「愚か者」の生き方です。
巻頭法話(20)「いい影響・悪い影響」 1996年10月
目、耳、鼻、舌、身体、に触れる情報によって、操られます。たとえば、聞きたくはないと思っても、きれいな音楽が流れてい るとつい聞いてしまう。食べたくはないと思っても、おいしいものはつい食べてしまう。また我々の考え方によっても操られます。ある人が嫌いだと思っている と、その人がいくら良いことを言っても耳に入りません。そのように、心は常にそれらに操られていて、自由に行動するわけではないのです。そのうえ、心はあ りとあらゆることからいとも簡単に影響を受けてコントロールされます。文化、伝統、習慣、教育、政治、経済、宣伝、宗教、カルト、などに簡単にコントロー ルされます。ま考、洗脳されます。そこで、心は本当に自由なのかということを考え直さなければなりません。自分の意志で考えることさえもできない人間が、 自由に生きていきたいと考えることには矛盾があります。心に浮かぶ自由のイメージ自体も、とっくにコントロールされています。心は簡単には自由になりませ ん。
巻頭法話(45)「心は癖で行動する」 1998年11月
また私たちは、自分のこれまでの体験を振りかえって反省したり、いい思い出に浸ったりすることがあります。 その場合、自分の過去の過ち、犯罪、悪行、 失敗等の
マイナスイメージ
ばかりを思いだす人と、成功、善行為などのいわゆ る
プ ラスイメージ
を思いだす人に 分けられます。 これはどちらにしても過 去の出 来事を思いだすわけですから妄想ということではありませんが、それでもマイナスの暗いイメージを追う人はかなり悩み苦しむものです。 こうした感情は、こ れから先の生き方にも悪い影響を与え、心の成長を大きくスポイルしてしまう原因を作りだしていきます。 逆に、成功や善行為を思いだす人は、その度に喜び が湧いてきて、自分というものに自信が持てさらには生きる喜びが湧いてきます。 生きることに幸福感を抱くのです。 過去をネガティブに捉えるとすぐに妄 想の部分へと移行し、心にもっとも悪い作用を起こす危険がありますし、人間の思考や行動の自由性を悪いほうへ、悪いほうへと束縛する原因となりますから、 すぐ止めるべきです。
巻頭法話(8)「思考についての考察」 1995年10月
たしかに、〔わたしたちは〕道 友の成就(獲得)を賞賛する。最勝の道友たち、〔自分と〕等しい者たちとは、親しくするべきである。これらを得ずして、罪なき〔独存の生活〕を享受する者 は、犀の角のように、独り、歩むもの。
スッタニパータ 47